こんにちは、執筆担当 & 子育て奮闘中のチャン太郎(旦那)です🐶
今回は赤ちゃんが使う哺乳瓶の消毒・除菌によく使用されるミルトンですが
液体は主成分が次亜塩素酸ナトリウム
錠剤は主成分がジクロル(ロ)イソシアヌル酸ナトリウム ➔ 水に溶けた状態では次亜塩素酸溶液
これらの成分は安全なのか?徹底調査していきました。
塩素系薬剤に不安をお持ちの方はぜひこの記事を見て下さい。記事を見終わった頃には全然大丈夫じゃん!となってますよ✨
結論としましてはミルトン液体・錠剤成分ともに、哺乳瓶の消毒・除菌をする上で十分に効果があり、また安全性が高いです。
実際に成分を自分で調査して、確認することが一番の安心材料になります。
売る側(メーカー)は良いコトしか言いません・・当たり前ですが(笑)
では前置きはその辺に早速進めていきましょう
- 次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO‾)とは?
- ミルトン液体の次亜塩素酸ナトリウム溶液の特徴【ph実測】
- ミルトンCP錠剤でできる次亜塩素酸溶液とは?【ph実測】
- まとめ
それでは本文にいってみましょう。
次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO‾)とは?
次亜塩素酸ナトリウムなど、こういった塩素成分の説明をしていく前に予備知識として知っておくべきことがあります。
それは次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO‾)の関係になります。下記2点について解説していきます。
- 殺菌・除菌力
- 人体への影響(安全性)
殺菌・除菌力
塩素の殺菌・除菌力は、水溶液中に含まれる次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO‾)の比率によって変わってきます。
縦軸が次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの含有率、横軸がphを表してます。
次亜塩素酸(HClO)の割合が増えてくると、殺菌・除菌力が強くなっていきます。微酸性次亜塩素酸水のph5〜6.5ぐらいが最強です。
それは次亜塩素酸(HClO)の方が、次亜塩素イオン(ClO‾)より圧倒的に殺菌・除菌力が強いからです。
次亜塩素酸(HOCl)の殺菌力は次亜塩素酸イオン(OCl‾)より約 80 倍高いといわれている。したがって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸の存在比率が高いため、次亜塩素酸ナトリウムよりも高い殺菌活性を示す。
引用元:厚生労働省公式サイト次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 (mhlw.go.jp)
じゃーph8〜10ぐらいの次亜塩素酸ナトリウム希釈液は、次亜塩素酸イオン(ClO‾)の割合が多いので・・全然ダメやんって思ってしまうかもしれませんがそんなことないです。
次亜塩素酸水が強すぎるだけで、十分に殺菌・除菌効果があります!
人体への影響(安全性)
次に使用する上で人体への影響をみていきましょう。先ほどのグラフに消毒・除菌に適している安全領域と、それ以外の危険領域を記載してみました。
消毒・除菌に適している安全領域
ph5〜7、8は微酸性〜中性領域なので、人肌に優しく超安全な領域と言えます。
ph8〜10は弱アルカリ性で、これも比較的安全な領域です。
ただこの弱アルカリ性の溶液は、肌に付着したままになりますと肌荒れの原因になってしまいます。
なので溶液が肌についたら、すぐ水で洗い流すことで問題無く使用することができます。
ミルトンが手についたままだと肌荒れの原因に・・参考まで☟
【手肌の荒れが心配】ミルトンに浸けた哺乳瓶を直接手で取り出すのはアリ?ナシ?
人体に影響が出る危険領域
ph数値1〜4は塩素ガス(Cl₂)が発生しますので、超危険領域(☠マーク)になります。
あと次亜塩素酸イオン(ClO‾)のみが存在している、ph11〜14も強アルカリ性領域で危険領域となります。
特に前者は清掃作業時に、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜることで死亡事故が過去に何件も起こっています。
ちなみに塩素ガスの濃度は、35〜50ppmで30分から1時間で死亡、また900ppmで即死亡なので超危険なことが分かってもらえるかと思います。
参考までに東京消防庁で下記実験を行ってます。
塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜたガラス容器を密閉した金属製容器の中に置いた。ガラス容器に近い位置からすぐに試験紙が紫色に変化し始め、約3分後には容器内の全ての試験紙が紫色に変化しました。また、容器内の塩素ガス濃度を測定してみたところ300ppmと人体に危険な濃度でした。
引用元:東京消防庁消防技術安全所サイト専用容器以外の移し替えは危険(洗剤の事故) (tokyo.lg.jp)
次章からは実際に作ったミルトン溶液のphを調査して、適切な領域にいるのか?検証していきましょう。
ミルトン液体の次亜塩素酸ナトリウム溶液の特徴【phを実測してみた】
ミルトン液体の主成分は、次亜塩素酸ナトリウムになります。成分はアルカリ性で、次亜塩素酸イオン(ClO‾)が多く含まれている特性になります。
哺乳瓶の消毒に使用する80倍の希釈液(125ppm)で、実際どれぐらいのphになるのか?みていきましょう。
【実験内容】
原液と希釈した液体の2種類を、ph測定器を使って測定してみる。※測定器は標準液で校正されて、正確な数値が出るものを使用
【結果】
まず原液がph11.3でやや中アルカリ性より、哺乳瓶を消毒する80倍希釈液は弱アルカリ性のph9.3になりました
【考察】
哺乳瓶の消毒に使用する80倍の希釈液はph9.3で、次亜塩素酸ナトリウム希釈液領域ph8~10のど真ん中になりました。
これにより弱アルカリ性溶液であることから、十分な殺菌力が確保されているのと、比較的安全なのが分かっていただけるかと思います。
ミルトンCP錠剤でできる次亜塩素酸溶液とは?【phを実測してみた】
引き続きミルトンCP錠剤タイプもみていきましょう。主成分がジクロル(ロ)イソシアヌル酸ナトリウムで、水に溶かすと次亜塩素酸溶液になります。
1錠を2L規定の水に溶かすと、哺乳瓶の除菌で使用される希釈濃度120〜140ppmの溶液が出来上がります。これを先程と同様にph測定器を使って測定していきましょう。
【結果】
ph6.3になり(微酸性)次亜塩素酸水よりの溶液になりました。
【考察】
実験値としてはph6.3で、これは(微酸性)次亜塩素酸水の領域になってきます。
それは恐らく・・微酸性次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの丁度間ぐらいの領域になっていますので、こういった表現をされているのだと思います。
何にせよ弱アルカリ性ではなく微酸性よりなので、除菌力は最強で人肌に優しく安全だといえます。
メーカーにも次亜塩酸水なのかどうか確認してみましたが、次亜塩素酸溶液としか答えていただけませんでした💦
まとめ:ミルトン(次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸水)で安全に殺菌・除菌をしよう!
それではまとめていきましょう。
まずミルトンつまり塩素系溶液は、次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO‾)で構成されています。そしてそれらの含有率で、特性が変わってきます。
哺乳瓶で使用される125〜150ppmの希釈濃度を前提に、下記表にまとめてみました。
殺菌・除菌力 | 人体への影響 | |
次亜塩素酸イオン 多い | そこそこ強い | 少ない |
次亜塩素酸 多い | 超強い | 無い |
次にこの一覧表を頭に入れた上で、実際にミルトン液体と錠剤で作った溶液のph値を測定していきました。
結果をいいますと
- ミルトン液体は、ph9.3で弱アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム希釈液領域 ➔ 次亜塩素酸イオンが多い
- ミルトン錠剤は、ph6.3で次亜塩素酸水の領域 ➔ 次亜塩素酸が多い
後者の錠剤に関しては、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの丁度間ぐらいなので、メーカー側は次亜塩素酸溶液で少しぼかした表現にしています。
こういったことから液体は弱アルカリ性で、錠剤は微酸性になりますので、取り扱う上で人に影響が少なく安全性が高いです。
また殺菌・除菌の観点からみても安全といえます。
今回はミルトンの塩素成分について深堀していきましたが、少しは不安が拭えましたでしょうか?正しい方法で使用すれば、全然問題無く安全なのです!
この記事で予備知識を入れてもらった上で、ぜひミルトンの成分と効果についても目を通してみて下さい☟
【ミルトンの成分と効果を徹底解説】哺乳瓶の消毒に120%使用した方がイイのが分かる!